世界の太公望 静かなる川のチャンピオン、ユーロニンフ 、チェコニンフ 、ワールドフライフィッシング チャンピオンシップの世界

最強のChanpion ship戦略と戦術

最強の戦略と戦術

ここに、私なりの最強の戦略と戦術を記したいと思う。
この全てをクリアーしていけば、世界のトップクラスも夢ではない。
しかしながら、日本で紹介されている一般的なフライフィッシングとは掛け離れた部分もあるので、「フライフィッシングで競技!?」と、疑問に感じる方は読まない方がいいかも知れません。

ロッドを持つのはまだ早い。

基礎体力を、アスリート並みに上げる。

朝から晩まで、一日10時間の釣りを2週間ぶっ通しでやっても、へこたれない体力を持つべし。
もちろん、体力を温存しながらのマイペースでも戦えないことはない。しかし、ハードな日程でもへばらないスタミナがあれば、それは間違いなく大きな武器になる。当たり前のようだが、こういう基礎から鍛錬すべし。ジョギングや水泳、ジムでのトレーニングに励む。

動体視力を鍛える。

動体視力と言っていいのかどうか分からないが、水中の魚を素早く見つける訓練をするべし。
急流の深みにいる魚が見えなければいけない。
今回、ガイドのジューロのその能力を目の当たりにして、正直驚愕した。
日本人であそこまで魚が見えるフィッシャーマンは私は知らない。
いや、俺は見えるよ、という人もいるかも知れない。しかし、おそらくその想像を遥かに超えた能力である。そして、トップのコンペティターは似たような能力を少なからず持っている。

単純に視力がいいのかもしれない。だが、それだけではないと思う。慣れというか、訓練というか・・。意識して練習すれば、見えてくるものだと考えている。

私の世界大会での経験から言えば、「サイトニンフィング」が最強の釣り方である。

ウェーディングでの遡行を訓練する。

急流や深場の川へウェーディングし、上流へ遡行したり川を横切る訓練をすべし。
トップの選手は、ウェーディング時の移動がとにかく早い。下半身の強靭さを物語っている。これは、筋力トレーニングだけではダメである。実際に川で実践するべし。

川で転倒しても、怪我を最小限にするテクニックを身に付ける。
川で流されても自力で対応する能力を持つ。

ポイントによっては、泳ぐ覚悟を持つ。(チェックやフレンチは実際泳ぐ)

レギュレーションを完全に把握する

レギュレーションとの戦いという側面も大きい。決して何でもありのフライフィッシングではない。例えばフライラインやリーダーは同じ太さか徐々に細くなっていかなくてはいけない、というレギュレーションがある。これは即ち、マーカーの禁止、スプリットショットの禁止、シューティングヘッドの禁止という意味合いである。よりシンプルなフライフィッシングのシステムの中でマンパワーでの技術を競い合うというフェアーな精神がそこにある。

語学力、英語をマスターする。

日常会話程度はむろん、いわゆるビジネス英会話を高いレベルでこなせれば、それだけで高いアドバンテージになる。釣り方の細かいニュアンス、釣り場の情報は多いに越したことはない。ガイドや他国選手とのやりとり、コンペティションでのコントローラーとのやり取り(時に駆け引き)をそつなくこなせなければいけない。

ロッドさばきを、高める

■ニンフィングロッド、ドライフライロッド、ストリーマーロッドなど、それぞれの釣り方にマッチしたロッドを徹底的に使いこなす。

一本のロッドで、すべてを代用するような考えはNG!それは素人考え。
(ツーインワンやフォーインワンは除く)

傷が付かないように丁寧に慎重に扱うことに異論はないが、それ以前に、そのロッドの持つポテンシャルを最大限引き出した使いこなしをマスターしべし。腕、手首の筋力は必要。ロングロッドに振り回されるようでは論外。何時間もぶっ通しでフルパワーで振り続けるパワーが必要。

激しい流れにウェーディングし、大石や岩にしがみ付きながら釣りをする場面もある。なのでロッド、リールが傷付くことはどうでもいい、と思わねばならない。(消耗品である)

■根がかったとき、すばやく的確に根がかりを外し、フライを回収できなければいけない。根がかったときのロッドさばきは、様々な方法がある。ただ引っ張ればいいというものではない。流れを利用する、リトリーブする、ロールキャストを打つ、などの方法を習得する。

実践的なキャスティングの習得

基本的なフライキャスティングはもちろんのこと、
より実践的でアグレッシブなキャスティングを心掛けるべし。タイトできれいなループを作って、という余裕がない場面も多い。魚をフッキングさせる為のキャスティングに徹底する。

時には、ブッシュの中でルアー的な投げ方を要求されても難なくこなせなければいけない。
超ヘビーニンフのタイトなキャスティングも、難なくコントロールできなければいけない。フルライン近くのロングキャストも。

スパーヘビーなニンフをキャストするニンフィングの直後に、綿埃のようなドライフライをピンスポットにキャストできる技術が必要。可変順応能力が求められる。

よって、
多種多様なフライキャスティングを習得していなければならない。

ランディングを極める

ランディングを正確に短時間で行うべし。小さい魚のランディングは無論、大きな魚がかかった時のファイティングを工夫し、確実にランディングするよう練習する。

バーブレスフック使用がレギュレーションな為、ラインの一瞬の弛みは命取りと認識すべし。常に適度なテンションを張り、優位なポジションを取り続ける。

時にはポイントを荒らさない為に、鮎釣りのように魚をスッポ抜いて空中でランディングすることも抵抗なく出来るようにしておく。まごまごして魚に走られたら、そのポイントが死んでしまう。(そういう時に限って大物が潜んでいたりするのである)

ティペットの強度を体で覚えるべし。どの程度の強さを与えるとブレイクするのかを試験する。

ノットを極める

各種ノットの長所、短所を知り、適切なノットを使いこなすべし。
結んだ後は必ず引っ張り確認すべし。

フライの交換を何十回と頻繁に行うため、フライ交換の時間の短縮は重要。
何度も何度も練習し、確実に素早くフライ交換が出来るテクニックを身に付ける。

リーダーシステムを極める

日本で市販されているリーダーでは、使い道に限界がある。自身の釣法に合ったリーダーを自作するべし。ショートリーダー、ロングリーダーを使いこなす。素材、色も重要。ストライクインジケーターリーダー、スパイラルインジケーターリーダー、ファールドリーダー、フレンチリーダーも使い分ける。

情報に惑わされない

大会現場では、様々な情報が飛び交う。釣り方やレギュレーション、釣れるフライや、釣れるポイント、などなど。

各国チームや選手によって、情報がバラバラなこともある。
それらの情報を大いに参考にしながらも、最後は自身の直感、5感6感がもっとも頼りになる。

プレッシャーを楽しむ

多かれ少なかれプレッシャーは掛る。適度な緊張感を持ち、高いモチベーションを維持し、そしてプレッシャーを楽しむ。

泳ぐ練習をすべし

チェックやフレンチは、対岸へ渡る為に泳ぐ。
どう泳ぐか?
ロッドはどうするか?
ウェーダ‐は履いたままか、脱ぐか?
着替えは、下着から用意した方がいいだろう。
風をひかないよう要注意。

二刀流を習得すべし

ドライフライロッドと、ニンフィングロッドを川に立ち込みながら使い分ける。一本はウェーダ‐に差し込み、もう一本でキャスティングをし釣りをする。ドライがダメならニンフ。ニンフがダメならドライ。すばやくその場でロッドを変え、交互に釣りをする。いちいち岸にロッド交換などに行っていられない。二刀流フィッシングは、キャスティングや構え方に慣れが必要。

ローリーポーリーを習得すべし

湖でのボートフィッシングでは、ローリーポーリーという高速リトリーブが非常に効果的である。

ローリーポーリーとは、両手をぐるぐる回転させながら高速でリトリーブする方法。
これをマスターすると、ルアーのリトリーブのような断続的ではない滑らかで早いリトリーブが実現出来る。

タイイングを工夫すべし

日本で紹介されているフライタイイングだけでは太刀打ちできない。
タングステンヘッドは4mmまでとレギュレーションで決められているが、それでは軽すぎる。速い流れの深場の底には届かない。ではどうすればいいか、考え抜かなければいけない。
ある意味、レギュレーションとの戦いでもある。

フックの検証、マテリアルの選別、カラーの使い分け、耐久性・・。
ナチュラルなフライをどうフラッシュさせていくか?
発想力、柔軟性、斬新、革新、伝統・・、様々な要素が試されると同時に限りない可能性がここにはある。

今までの常識に縛られていては、太刀打ちできない。

マッチングザハッチを基準とする

例えば、競技ということを考えたとき、
より多くの魚を釣ることが勝敗を分ける訳だから、

「当たりフライ」

だけを短絡的に求めてしまう釣り人もいるかも知れない。

ハッチやライズがある好条件はいつもある訳ではないので、
水面下に当たりフライを沈めて、釣れさえすればいいという思考になりがちだ。

そういう思考の持ち主は、生態系など無視して、
エッグフライもどきを2つも3つも付けて釣り上げ、一晩にして釣り天狗に成り上がる。

マッチザハッチの何たるかを分かり、それを基準とすることが大切である。
マッチザベイトでもいいだろう。
まず基本として水生昆虫の生態を理解し、釣りを組み立てること。

だから、キャスティングの上達にも労力を惜しんではならない。

その上で、
時には、キラーバクなどのアトラクター的なフライも試すという思考のバランスが必要である。

私個人としては、
出来れば、エッグフライは使いたくない。
それで釣り上げても、私のフライフィッシングの腕が上がるとは・・・思えないからだ。

生態系を軽視した思考で、
当たりフライだけを追い求める釣り人に、本当のところの豊かさは感じない。

もちろん、釣りは個人の自由であり他人がとやかく言うものではない。

正解などもない、のだろう。

しかし、その思考がずれていないかどうか。
どういう目的をかざしているのか。

「釣れさえすればいい」

「釣ったモン勝ち」

というマインドには、正直、自由を感じない。

世界大会という、「釣ったモン勝ち」の競技に参加した経験とは相反する、矛盾が内在するのです。

そして、その矛盾こそが、

釣りの哲学に結びついていくわけです。

釣り人は、その在り方をいつも試されている。


上記文章はあくまで私の個人的見解ですので、よろしくお願いします。

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